症例報告

ムチ打ち後の治りが悪く、脳脊髄液減少症と診断された(30代女性)

3年前に交通事故でムチ打ちになり、首と腰を痛めた。そのときはしばらく整形外科に通ったが良くならず、そのうち症状固定で治療が打ち切りとなってしまった。
その途中でめまいや頭痛、左坐骨神経痛などの症状が出始め、鍼を試したが、首の痛みや腰の痛みについては一時的に鍼で良くなるものの、すぐに痛みが出てしまう状態が続いていた。めまいはグルグル回る感じではなく、フラフラする感じに近い。
特に立っていると症状が強く感じ、寝ているときには楽になる。
ブラッドパッチ療法も試したが、大きな改善はなかった。
ずっとこの痛みで悩まされるのかと思うと気が滅入るが、会社の上司が紹介してくれたサンフラワーカイロプラクティック横浜に一度相談に行くことにした。

<初診時状態>
・姿勢を見ると、頭が極端に前方に変位している。右に重心がかかっている。
・首の可動域を検査すると、全ての方向に動かしづらく、また張りを感じる。特に上を向く動作で痛みがある。
・左首筋の筋肉を押すと、左こめかみに頭痛が起こる。
・めまいに関わる検査として、頭の位置をいろいろ変えてめまいが出るか、片足立ちでめまいがでるかなどを検査したが、めまいの誘発はなかった。左足で片足立ちになるとふらつきが大きい。
・坐骨神経の伸張検査をしても、張りは感じるが痛みはない。
・左お尻の筋肉を押すと、左お尻からふくらはぎあたりまで痛みを感じる。

<経過>
初回は『相談』という形だったので、現在の症状をカイロプラクティック的に分析し、症状の説明、またどのような治療を行うのかなどを説明した。
脳脊髄液減少症では、カイロプラクティックの『ボキッ』となるような矯正はやってはいけない(悪化するリスクがある)ために行わないことと、どのような方法で調整していくのかを説明した。
試しで受けてみたいという話だったが、当日は時間がなく後日施術を開始することに。

最初の1ヶ月は週に二回の施術を行ったところ、首の痛みが半減、頭痛は時々出るが以前のように毎日出ることはない、左坐骨神経痛に関してはほぼ消失、腰の痛みは4割減、めまいは体調によって出るが頻度が半減した。
次に週に一回の施術を2ヶ月ほどしたところ、首の痛みと頭痛は週に一回程度つらくだけになり、腰の張りもだいぶ軽減、めまいは体調が悪いと出るが以前に比べたらだいぶ減少という状態になった。

それ以降は比較的楽な状態が続いているため、不定期でのメンテナンスを行っている。

院長 小幡コメント

脳や脊髄といった中枢神経は、膜に覆われています。
膜と中枢神経の間には脳脊髄液という液体があり、イメージとしては膜の中に溜まっている水(=脳脊髄液)の中に、脳や脊髄が浮いているようなイメージになります。
交通事故など強い外力を受けると、この『膜』が壊れて脳脊髄液が漏れてしまい、中枢神経にダメージを与えてしまうことがあります。これを脳脊髄液減少症と呼んでいます。
これによる症状は様々で、首の痛み、手の痺れ、背中の痛み、肩の痛み、腰痛、坐骨神経痛、めまいなど様々な症状を訴える方が多いです。
ブラッドパッチ療法と言って、自分の血液の成分を破れている膜に注射し、血液が固まる性質を使って膜の損傷を修復する方法があります。

この方の場合ですが、病院での診断上はブラッドパッチ療法により、脳脊髄液が漏れている状態からは改善しているとのことでした。
しかしながら、自覚症状としては変化がなく、相変わらずつらいままとのことで、一つ一つの症状について分析していきました。
私の見立てでは、首と頭痛に関しては胸鎖乳突筋という首の前側にある筋肉の過緊張が原因となっており、めまいと坐骨神経痛に関してはお尻の筋肉が関わっているような印象を受けました。
そのため、筋肉の調整がメインになることと、骨盤などの調整についてはボキっとなるような強い矯正は一切行わず、ほとんど力を加えないテクニックで調整することを伝え、施術を開始しました。

筋肉の調整だけでもかなりの効果があり、時間はかかりましたがかなりの改善がありました。

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