先日、当院へいらっしゃっている方から『自転車に乗ると身体が歪んだり、骨盤が開くって聞いたのですが本当ですか?』と聞かれました。
私の見解では、『正しく乗ればそんなことはない』とお伝えしました。
私はロードバイクに乗りますので、その面からお伝えします。
1、骨盤が開く?
スポーツタイプの自転車のサドルは細いです。ママチャリよりも細く、硬い素材でできています。ママチャリのサドルは坐骨でどっしり乗ることができるでしょう。
細いサドルだと骨盤の真ん中の骨でしかお尻を支えきれず、ママチャリよりも骨盤が開くのではないかとその方は言っていましたが、根本的には大きな間違いがあります。
というのも、ママチャリとロードバイク、乗車姿勢が違うためです。
ママチャリでは前傾姿勢にならず、体重のほとんどをサドルに預ける形になります。
一方、ロードバイクでは前傾姿勢になります。前傾姿勢になることで良く言われるのが、手(ハンドル)、足(ペダル)、お尻(サドル)の3点支持であるということです。
サドルにどっかりと乗っかるような姿勢でロードバイクに乗れば確かに骨盤にも悪影響はありそうですが、実際にはそうなりません。
ペダルを回す動作をするとき、足に荷重が向かうので実際にはサドルには大きな力はかからないのです。
ロードバイクに乗っている人ならわかると思いますが、ロードバイクで低速で長時間乗るとお尻が痛くなります。ペダルに荷重が向かわないからです。その分、お尻に負担が来ます。それをしっかりペダルを回すようにすると、荷重がペダルに向かうためにお尻への負担が減ります。
つまりママチャリよりもサドルに体重を預ける比率がはるかに小さいと考えられ、骨盤が開くようなことはないと思います。
2、身体が歪む?
前傾姿勢だから身体が歪むのでは?と思われる方もいますが、これも間違ったフォームで乗っていればそうかもしれません。
ほとんどのスポーツにおいて、構え、力を入れる動作はやや前傾です。
野球でもサッカーでも、みんなやや前傾に構えてませんか?
ロードバイクの乗車姿勢で背中を丸めすぎたり、逆におなかを落として腰が反りかえる姿勢はよくないと私は考えています。
ロードバイクでは背中を丸めた姿勢で乗ることをヨシとしていることが多いのですが、個人的にはあまり合理的だとは思えず、このようにフォームが崩れて乗っていたらどこかに歪みや痛みがくるかもしれません。
もしロードバイクに乗ると身体が歪むならば、根本的にスポーツを全否定してしまう結果になりかねません。
もちろんスポーツですから、日常生活とは違う筋肉の使い方、日常生活ではほとんどないような姿勢などで身体に負担はかかります。
しっかりストレッチしてケアしておけば、特に問題がない範囲です。
ですがロードに乗ることで痛みが来るようなら、ポジションや柔軟性などに問題がある可能性が高いです。
自転車による痛みでお悩みの方は、是非ご相談ください。
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