ちょっと前に来院された方ですが、頸椎ヘルニアの症状を持っていました。
当院に来る前に保険が効く整骨院に行ったらしいですが、そこで頸椎の牽引治療を受けたそうで。
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頸椎ヘルニアには牽引が有効?
頸椎ヘルニアには牽引が有効なのか?ですが、これはやり方によります。
やり方というと難しいのですが、首全体を引っ張るような牽引だとさほど意味がないケースが多いように感じています。
頸椎は第一頸椎から第七頸椎まで7個の骨があり、それぞれの間には関節があります。
そして椎間板もあります。
例えば第6頸椎の第7頸椎の間でヘルニアが起こり、神経を圧迫しているような状態のとき、第6頸椎の第7頸椎の間だけピンポイントで牽引するような施術をすると、痛みやしびれが取れていくことが多いです。
ところが首全体を引っ張るようにすると、悪い第6頸椎と第7頸椎の間には固着が起こっていることが多いため、その部分には牽引力がかからず、正常な部分だけが引っ張られるという結果になることが多いようです。
そのため、整形外科でやるような牽引装置だと、首全体を引っ張るため悪い部分はほとんど動かない、効果がないということが多いように感じます。
当院では触診しながら、動きが固まっている部分だけをピンポイントで牽引するような施術を行うため、より安全に効果的になるわけです。
世にも恐ろしい牽引治療・・・
先日来院された方ですが、頸椎ヘルニアと思わしき症状で、整骨院で牽引治療を行ったそうです。
そもそも整骨院で頸椎ヘルニアを施術しても、本来は保険適用は出来ません。
整骨院の保険適用の範囲は、骨折、脱臼、捻挫、打撲のみです。
頸椎ヘルニアはどれにも当てはまらないことが明白です。
さてこの方が受けた頸椎の牽引ですが、鉄棒みたいなところに足首を引っかけ、逆さ吊りにされたそうです。
しかも頭を下に引っ張るような操作も入っていたそうで、これは牽引どうこうの前に、危険すぎる体勢です。
保険が効く整骨院でもこんな危険なことをするのか・・・と聞いていて愕然としました。
意識が飛びそうになったという話です。
病院で牽引しても変化がない人は
頸椎ヘルニアと診断されて整形外科で牽引治療を受けているが、全く改善しないと訴える人は多いです。
その場合、可能性としてはいくつか考えられます。
牽引の方法が悪い
どうしても病院の牽引装置は、悪い部分を引っ張るというよりも首全体を引っ張るような装置です。
そのため、悪い部分にはほとんど牽引力がかかっていないことがあります。
この状態のときに、整形外科によっては牽引力を強めることもあるようですが、それにより筋肉を傷めてしまう人もいます。
悪い部分だけピンポイントに、最小限の力で施術は可能なのです。
牽引では効果が出づらいタイプである
牽引で効果が出づらいタイプもあります。
10回以上も整形外科で牽引して、わずかでも改善している実感があるのならいいですが、全く変化がないのであれば違う方法で施術すべきです。
そもそも頸椎ヘルニアではない
MRIを撮影すれば、椎間板が出っ張っていて神経を圧迫している状態を画像で確認できます。
しかし、椎間板は出っ張って神経を圧迫しているだけでは、実は痛みは出ません。
そこで神経が炎症を起こしているなら痛みの原因になります。
炎症が起こっているかどうかはMRIではわかりません。
当院で多いケースですが、頸椎ヘルニアと言われていても、検査すると全く違う場所に原因があるケースもあります。
当院で行う検査ですが、例えば首に軽い負荷をかけてみて痛みが変化するかどうか、肩に軽い負荷をかけてみて痛みが変化するかどうかといった徒手検査がメインです。
肩に負荷をかけたときに痛みが増悪するのに、首が原因にはなりません。
実はこのケースはなかなか多くて、首で神経が圧迫されていると思っていたら、神経圧迫の真犯人は肩にあったとかそういうのは多いのです。
もちろん、そういうケースでは頸椎をいくら牽引しても何ら効果はありません。
牽引が効かない、という人は是非ご相談ください。
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