当院にお越しになる方の中には、手の痺れを訴えてくる方も結構います。
そんな中、時々聞くのですが、
整形外科でレントゲンを撮って、首の骨が変形して神経にぶつかっていると言われました
こういう話はよく聞きます。
もし、首の骨が変形して神経にぶつかっていることが手の痺れの原因なら、そこを削らない限り、痺れが取れないことになるはずです。
しかし、実態は必ずしもそうではないことが多く。
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手の痺れの原因
手が痺れる症状は、原因は様々あります。
首の骨の変形で神経に触れていることもあれば、椎間板ヘルニアで神経に触れていることもある。
胸の筋肉が神経を圧迫していることも痺れの原因になる。
当院は病院ではありませんので、レントゲンを撮影することは出来ません。
痺れの検査の場合、詳細を伺って、どのようなときに痺れが強くなるのか、弱くなるのか、痺れる場所はどこなのかをまず聞きます。
これである程度は痺れの原因の場所がわかるので、次にやるのは検査です。
例えば、胸の筋肉が硬くなって、神経を圧迫していることが疑われるケース。
こういうときは、胸の筋肉を少し伸ばすように負荷を掛けてみて、痺れが増悪するかどうかを確認。
首で神経圧迫が起こっていることが疑われるなら、神経圧迫が強くなる方向に首を傾けてもらって、痺れが増悪するかの確認。
ある意味では原始的な方法なんですが、こういう検査のほうが痺れの原因は特定しやすいです。
首の変形で神経を圧迫していると言われて人でも、当院で検査すると胸の筋肉によって神経圧迫が起こっている判断されることも多々ある。
なので胸の筋肉に関わる肩甲骨の施術をしただけで、痺れが取れることも普通にあります。
首の施術はほぼしてないのですが。
なぜこういうことが起こるのでしょうか?
画像診断の弱点
レントゲンでもMRIでも、画像で客観的に見れるという点では、やはり分かりやすいですよね。
画像で見せられると、なんか納得してしまいますし。
けど、【痺れる】という状態は、患者さんの主観ですよね。
痺れを客観的に証明する検査法は、基本的にありません。
そうなると、患者さんの主観に対する検査法のほうが、原因はハッキリしやすい。
こっちに曲げてみたら、患者さんの主観である痺れが増悪したとか、軽減したとか。
その曲げる方向だと、この筋肉が動くから、神経はこうなるよね、と理論的にわかるので、痺れの原因はわかりやすい。
レントゲンで写っていた骨の変形は、そうなると関係ないものだったりすることも多々あるわけです。
そもそもレントゲンでは神経は写っていませんので、【これだけ変形していれば神経を圧迫して痛いだろう】という、ある種の憶測ですね。
画像診断の弱点って、こういうところなんだと思います。
誰が見ても、変形していることはわかる。
けど、その変形が、患者さんの痺れとどう関係しているのかはわからない。
わからないけど、これだけ変形していれば神経に触れて痛いだろうと憶測になってしまう。
患者さんの主観を検査する
痺れという、主観的な訴えに対し、主観がどう変化するのかを検査したほうが、痺れの原因はわかりやすい。
例えば左に首を傾ける動作をすると、左手に行く神経をやや圧迫気味にする方向ですが、右手に行く神経についてはむしろ開放する方向と言えます。
そういう動きを見て、主観である痺れがどう変化するのかを聞いて、痺れが軽減する方向を見つけていく。
それが検査でもあり、施術にもなっていくわけです。
頚椎が変形していると言われたという話はホント多いですが、胸と脇の下あたりを施術しただけで痺れが取れた人なんてたくさんいます。
また、二箇所で神経圧迫が起きている人もいます。
そういう原因を見つけることが、施術そのものになるわけです。
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