肩こりは国民病といっても過言ではないほど、多くの人が悩んでいる症状です。
デスクワークで肩こり、子育て育児で肩こりなど様々なことが原因で肩こりが起こります。
肩こりの原因はいくつかありますが、ここでは代表的な2つの原因についてお話します。
Contents
1、肩の位置
最も多くみられる肩こりパターンが、背中が丸まり肩の位置が前に入ってしまった状態です。
この状態では、胸側の筋肉が縮こまり、肩甲骨が外側に変位し、肩甲骨の裏あたりが丸まって伸ばされているような状態になります。
また背骨のカーブも丸まったことで歪みを起こしやすくなります。背骨(胸椎)は正常でも後弯といって後ろにカーブしていますが、肩甲骨が外側に変位していくことで後弯が強くなり背骨が丸まった状態で固まって変位します。いわゆる猫背の状態です。
これにより肩周りの筋肉に負担がかかり、肩こりを起こしてしまうのです。
胸側の筋肉が縮こまって固まっている状態では、肩が前に引っ張られてしまうため、肩甲骨の裏側あたりを緩めても原因となっている胸側の筋肉が縮こまった状態が解除されていないため、すぐに肩こりが戻ってしまいます。
そのため、ポイントになるのは胸側の筋肉が縮こまって固まっている状態をしっかり伸ばしてあげることです。
胸側をしっかり伸ばすと、肩の位置が正常な位置に収まりやすくなり、肩周りのバランスが安定して筋肉が緩み、肩こりが改善していきます。
2、頭の位置
デスクワークの方に多いですが、頭が前に突き出てしまってバランスを崩しています。
頭はボーリング玉と同じくらい重いものです。
重たいものを支えようとするとき、身体の中心(重力線)から離れた位置にあると、支えるのにかなりのエネルギーを使います。
例えば、スーパーでお米を買ったとします。
腕を前に出して持つのと、身体に密着させるように横で持つのはどっちが楽ですか?
当然、身体に密着させるよう横で持ちますよね。
腕を前に出して持ち歩くのは、すぐに腕が限界を迎えます。
重たいものを支えるとき、なるべく身体の重心に近いところで持ったほうが効率がいいのです。
画像の赤線は重力線といい、耳と肩が一直線に来ているくらいが一番負担が少なく姿勢を保てます。
頭が前に行けばいくほど、首は頭を支えるのに筋肉を使うのですぐに疲れてしまいます。
この結果、肩こりが起こるのです。
また頭の位置が前に行くと、身体がどんどん前に行ってしまうのでどこかでバランスを取る必要があります。
例えば、頭が前に出ている分、背中が後ろに丸まってバランスを取るなど。
頭が前に出ている分、骨盤が後傾してお尻と頭でバランスを取ろうとするなど。
なので、肩こりが慢性化している方は、間違ったバランスで身体が複雑化してしまっています。
頭の位置だけでなく、背中の丸まり(猫背)、骨盤の傾きなど総合的にみていくことが肩こり解消の近道です。
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肩こりで重視しているのは頭の位置と肩の位置、そして柔軟性。
従って肩こりを訴えてくる方には、姿勢のチェックと柔軟性のチェックを元にどこに問題があるのかを見ていきます。
首や肩周りの筋肉を緩めるだけでなく、ストレッチで肩と頭の位置を正常にし、関節の動きを整える治療を行っていきます。
特に頸椎と胸椎に問題があることが多く、こちらを重点的にアプローチしていきます。
姿勢と柔軟性を整えることで、肩こりを改善します。
最も一般的なタイプの肩こり治療の例を書きます。
検査
姿勢検査
肩こりで特に重視するのは、頭の位置、肩の位置、背中の丸まり(湾曲)、首の湾曲です。
肩こりで最も多いのは頭が前に出て、肩の位置が前に入り、背中が丸まっているような状態です。
さらにストレートネックも良くみられる症状です。
肩が前に入ると、肩甲骨が外に開いた状態になってしまい、さらにその状態が続くと肩甲骨の動きが悪くなっていることが多くみられます。
このような状態だと身体の前後のバランスが悪い可能性が高いです。
頭や肩が前に入っている場合、単純にズレだけでなく筋肉のアンバランスが多く見られます。考え方として、前側の筋肉が縮こまっていると、前に引っ張られていきます。つまり肩の位置が前に入っている場合、胸側の筋肉が短縮して、背中側の筋肉が伸ばされている状態です。
柔軟性・可動域チェック
首の可動域、肩の可動域を簡単にチェックします。
例えば首を反らしたときに痛みがあるなど、動かす方向によって痛みがあるか、動かしにくい方向があるかをチェックしていきます。
よくある肩が前に入った状態では、胸側の筋肉が短縮し縮こまっていることが多いです。
そのため、肩が前に引っ張られてしまい、胸側をしっかり伸ばしてあげないとすぐに肩が凝ってくる原因になります。
触診
これは実際に施術しながら行うことが多いのですが、筋肉を手で緩めながら、硬いところ、背骨のズレがあるところを探していきます。
肩こり治療
検査で出てきた情報を元に治療を行っていきます。
筋肉の緩和
肩周りの筋肉を手で緩めていきます。
肩甲骨の動きをつける
肩甲骨が外側に変位し動きが固まっていることが多いので、肩甲骨を動かしながら肩甲骨がスムーズに動くようにしていきます。
ストレッチ
胸の筋肉など、短縮し縮こまっている筋肉を伸ばしていきます。
矯正
胸椎や頸椎のズレを見つけ、矯正を加えていきます。
矯正はボキっという音が鳴る場合もありますが、音が鳴らない方法を用いることもあります。
矯正を加えることで、関節のズレを正しい位置に戻すと同時に、関節の可動域を改善します。
上記は便宜上、緩和、矯正、ストレッチなどと分けて書いていますが、実際の肩こり治療では一体化していることが多いです。
最も多いタイプの肩こりの施術法を説明しました。
肩こりの症例
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