症例報告

寝違えて、寝違えが直ったあとに手が痺れるという症状は結構多いです。レントゲンに頼り過ぎないことも重要。

首の寝違えを起こした後、寝違えた首自体は何とか良くなったけど、手が痺れるようになったという症状の方がここ最近多いです。
この症状、私が見ている範囲では結構多い症状でして、手が痺れている原因も人それぞれなのですが、寝違えも甘く見てはいけない症状なのです。

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寝違えのあとに手が痺れだした

寝違えは、多くの場合ですが肩と首をつなぐ筋肉がスパズムといって、異常な緊張状態になっていることがほとんどです。
そのため、ちょっとでも首を動かすと激痛が走るとか、ある一定の方向に首を動かせないとか、そういう感じになってしまいます。

一番酷いケースだと、どの方向にもほぼ首を動かすことができません。
逆に軽い寝違えなら、例えば左を向くのがつらいけど右は向けるなど、一方向性なことが多いです。

さて、寝違えのあとに手が痺れだす・・・というケースですが、見ているとその多くは次の二つのパターンのどちらかです。

1、神経性の痺れ

これは主に、頚椎で神経が圧迫されて出ている痺れです。
恐らくですが、このタイプの人は元々首が悪いなど素因があって、寝違えにより悪化したという感じかと思われます。

頚椎ヘルニアだったり、骨棘(こつきょく)といってトゲのようなささくれが骨にできて、神経を圧迫していたりなど様々ですが、今までもそういう素因があったけど、寝違えてバランスを崩したことで神経に触れるようになったとでも言いましょうか。

また、胸の筋肉などで神経が圧迫されているケースもあります(胸郭出口症候群)。

2、筋肉性の痺れ

これはあまり知られていないことですが、神経を圧迫していなくても、筋肉に強いシコリみたいなのが出来ると、痺れを発します。
トリガーポイントとも言うのですが、首や肩の筋肉の痛みが、手まで痺れとして出ている状態で、このケースのほうが改善は早いです。
筋肉がしっかり整えば、痺れも消失します。
先日もこの症状の方がいまして、一回の施術で痺れは消失しました。

また、これらの混合のような形で痺れを起こしていることもあります。

レントゲンは絶対ではない

こういう痺れで整形外科に行った場合、レントゲン撮影はほぼ必須で行われます。
場合によってはMRIなどを撮影するケースもあります。

ここからが重要なのですが、先ほどのように手に痺れが出ているケースで、筋肉性の痺れが出ている人がいたとします。
レントゲンでは骨は写りますが、筋肉は写りません。
また、MRIでも、いわゆる筋肉のコリのようなものは写りません。

筋肉が原因で痺れが出ていても、その人の頚椎がたまたま狭くなっていたり、骨棘があったりすると、それが痺れの原因だと診断されてしまうことが多々あります。
頚椎が狭くなっていても、そこが痺れの原因ではないケースも多々ありますし、レントゲンでは神経は写りませんので、骨棘があったとしてもそれが本当に神経を圧迫しているのかはわかりません。

実際、手の痺れがなかなか良くならない人の話を聞くと、整形外科でひたすら牽引治療を受けていた方が非常に多いのです。
でも、たまたま頚椎が狭かったけど神経を刺激するほどでもないような状態で、本当の痺れの原因が筋肉にあったなら、いくら牽引しても無意味だったりします。
なのでレントゲンやMRIなどは、こういうケースでは絶対ではないのです。

どうやって見分けるか?

例えばですが、左手に行く神経というのは、首の左側から出ています。
首の構造上、首を左に傾ける動作(側屈)をすると、神経の出口が狭くなります。

首の神経が圧迫されているなら、神経の出口を狭くする方向に動かして痺れが増悪するかどうかなどをチェックしていかないと、本当の痺れの正体がわからないわけです。
先日いらっしゃった、寝違えのあとから手が痺れるというケースでは、首を動かしても痺れが増悪したり軽減したりなどの変化がなく、唯一痺れが増悪するのは、腕を後ろに引っ張るような動きのときだけでした。

これは胸郭出口症候群の中の、小胸筋症候群というタイプで、胸の奥にある筋肉が、手に行く神経を圧迫している状態でした。
なので肩周りの施術を行ったところ、痺れはそれで消失しました。

こういうケースで、もしレントゲンを撮った際にたまたま頚椎が狭くなっていたとしたら、整形外科では首が原因だということで牽引治療を行うことになると思います。
しかし、実際には首に原因がない痺れなので、いくら引っ張っても良くはなりません。

痺れが起こっているときに、神経が圧迫されるポイントはいくつかあります。
そこに軽い負荷をかけてみて、痺れが増悪するかどうかのチェックだったり、どの体勢だと痺れが軽減するかのチェックをしていかないと、痺れは改善しません。
また痺れは長期に渡れば渡るほど、改善が遅くなる傾向もあるので、無意味な治療というだけでなく、むしろ悪くしている治療になってしまいます。

どうしてもレントゲンやMRIの画像を見ると、それが全ての原因だと錯覚してしまいがちですが、実際にはそうではないケースも非常に多いのが現実です。
牽引治療も、5回やって良くならないなら、そのあと20回やろうと良くなる可能性は低いように思います。
当院でも首自体が神経圧迫しているケースでは軽い牽引みたいなのを行うこともありますが、そういう症状の場合、牽引されている最中は痺れがかなり軽くなるというケースがほとんどです。

寝違えのあとに痺れが起こるというのはよく見かける症状ですが、慢性化させるとややこしいので、早めに施術をしたほうがいいでしょう。

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