症例報告

ロードバイクに乗った後に、右膝に痛みが出る(30代女性)

一年前からロードバイクを趣味として始め、徐々に乗る頻度を上げてきた。
最初は一日50キロ程度だったが、徐々に距離を伸ばし一日100キロを超えるようになると、乗った後に右膝の外側に痛みが出るようになった

乗る距離を伸ばした以外では、特に何も変えていない。
ペダルはビンディングペダルを使っている。
痛みが出たその日は歩くだけで痛みを感じるが、多くの場合翌日か翌々日には痛みはなくなっている。

自転車屋に相談し、シューズ裏のクリート調整をしたが、あまり変化はない。
日常生活には全く支障はないが、今後さらに長い距離を乗りたいと思っているので、何とか改善したいと考えてサンフラワーカイロプラクティック横浜に来院した。

<初診時状態>
・姿勢を見ると、右足が左足に比べて外旋している(外側に捻じれている)
・膝の動きをチェックしたが、曲げ伸ばしなどでは痛みはない
・股関節の動きをみると、右股関節を内側に持っていこうとしたときに、足の付け根に痛みがあり内側に行かない
・膝の外側を押すと痛みがある

<経過>
右股関節が外側に捻じれているために、右足全体が外向きになっていることと、それを考慮せずにクリートを装着し無理矢理内股状態にされていることで負担がかかっていると考え施術を行った。
初回はまず骨盤と股関節の調整から行い、股関節が内側に入りづらい状態を改善していく。股関節の状態が悪く、施術後も左側に比べたら内側に入りづらい状態が少し残った。
足回りを全体的に調整したのち、次回可能であればロードバイクに乗ってくるか、シューズを持参するようにお願いした。

2回目(1週間後)。この一週間、雨続きで自転車の乗れていないため、痛みの変化はわからない。
股関節のチェックをすると、やはり右股関節が内側に入りづらい制限が残っているが、前回よりはまだ内側に入る。
施術後は股関節の動きが少し改善したが、股関節の制限がしっかり取れるまでは、クリート位置を調整してやや右足が外向きになるようにセットしたほうがいいとアドバイスして、ほんのわずかだがクリート位置を調整した。

3回目(1週間後)。おとといロードに乗ったところ、120キロ走っても膝に痛みは出なかった。翌日も問題なし。
姿勢を見ると、初回よりは足の捻じれが取れているものの、まだ左に比べると外向きになる。
また股関節の制限がまだ残る。
継続して施術を行い、股関節の制限が取れるまでは右足だけやや外向きになるようにクリートを調整し、股関節がしっかり良くなったらクリート位置を戻すようにすることを提案。

その後2週間に一度の施術を4回ほど行い、股関節の制限がだいぶ取れてきたので、少しクリート位置を調整。
それでも痛みは出なかったので、それ以降は一か月に一度程度、メンテナンスで施術をしている。

院長 小幡コメント

この方の状態は、医学的に言うと【腸脛靭帯炎】という状態になります。
問題は腸脛靭帯になぜに負担がかかったのかということであって、腸脛靭帯炎という用語自体はそれほど重要ではありません。

この方の場合、簡単に言えば、元々右足だけやや外側に捻じれている状態だったのを、ビンディングペダルで強制的にまっすぐな方向にされたために、感覚的には【強制的に内股を強いられている】ような形になって、腸脛靭帯に負担がかかっていたのでした。
そのため、原因になっている足の捻じれを解消しない限り、腸脛靭帯に対する負担が減りません。

この方に提案したのは、股関節の状態が良くなるまでは、あえてクリート位置を変えてやや外向きになるようにして負担を減らすことでした。
これだけでも痛みは減りますが、根本的な解決としては股関節の改善が必要なため、外向きに配置したのは一時的なことです。

股関節の状態が悪く時間はかかりましたが、今は快適に乗れているようで一安心です。

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