結構前のことですが、某テレビ番組で肩こり解消法の一つとして、筋膜リリースや肩甲骨はがしについて紹介されていました。
時々、当院にも肩甲骨はがしについての問い合わせをいただきますが、実際にどうやるかは口で説明するのは難しいです・・・
まず肩甲骨というのは、そもそも何なのかということからです。
これは左肩が前に入った状態の時に肩甲骨がどうズレるかという図ですが、肩甲骨というのは背中の左右に乗っかっている骨だと考えてください。
これをいうとなぜかビックリされるのですが、肩甲骨と鎖骨はつながっています(肩鎖関節)。
また上腕骨とも関節をつくっています(これはいわゆる肩関節です)。
肩甲骨の位置というのは、肩甲骨の上下、左右にある筋肉の引っ張り合いで決まります。
つまり、
・肩甲骨の上側の筋肉(いわゆる肩の筋肉)が硬くなれば、肩甲骨が上に引っ張られる
⇒肩をすくめたような状態です。
・肩甲骨を外に引っ張る筋肉が硬くなると、肩甲骨は外に開いてしまう
⇒肩甲骨を外に引っ張るというのは、言い換えれば肩が前に入った状態です。大胸筋など胸側の筋肉が硬くなると、肩が前に入ってしまい肩甲骨が外にズレます(いわゆる猫背)。
肩甲骨が下にズレたり、内側にズレるというのはなくはないですが、どちらかというと上に書いたものがほとんどです。
肩甲骨が凝る、という表現の時、ほとんどの場合肩甲骨の内側が凝っている状態だと思います。
いろんなケースがあり必ずしも当てはまるわけではありませんが、肩甲骨内側に張りを感じる場合、『肩が前に入る、肩甲骨が外側にズレる』が多いパターンです。
(上の図の状態)
この状態を分析していくと、大胸筋など胸側の筋肉が縮こまり、肩甲骨が外側にズレて、肩甲骨内側の筋肉が引っ張られている状態になります。
マッサージでは、肩甲骨内側のシコリを緩めるようにしていくと思いますが、上に書いたような『大胸筋など胸側の筋肉が縮こまり、肩甲骨が外側にズレて、肩甲骨内側の筋肉が引っ張られている状態』は改善されません。なのですぐに凝ってきます。
そこで当院の肩甲骨はがしですが、
・まず胸側の筋肉が縮こまっているので、しっかり伸ばしていく
・肩が前に入るに伴い、腋の下の筋肉が硬くなっているため、緩めていく
・本来、肩甲骨は背中の上を滑るように動くが、硬くなって動かなくなっているのでゆっくり動かしていく
・これらで肩甲骨内側のシコリが消えることが多いが、肩甲骨内側のシコリが残る場合はそれを直接緩めていく
実際の順番は人それぞれ違いますが、こんな感じで肩甲骨を『はがして』いきます。
自分でできる肩甲骨はがしはどうするの?ということについては、また今度書きます。
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