猫背は良くない!という話は良く聞くと思いますが、実際にどんな問題が起こるかについてはあまり知られていないように感じます。
今回は猫背の問題点について、説明します。
ここに身体を真横から見た状態での、背骨の状態を三つ図にしました。
猫背と言うのは右側の図、過剰な後弯という状態です。
かなり背中側に丸まってしまっている状態ですね。
ちなみにですが左側のように、真っ直ぐ過ぎるのも良くないです。
背中(胸椎)は、緩やかに後ろ側にカーブしているのが普通です。これを後弯と言います。
人間の背骨は頸椎(首)が前弯、胸椎(背中)が後弯、腰椎(腰)が前弯とS字状にカーブしています。
なぜカーブしているかと言うと、人間の背骨には重力がかかります。
つまり重力によって頭側から圧縮されるような力が常にかかっているのです。
S字状になっていることで、背骨全体がスプリングのようにクッションの働きをするのです。
真っ直ぐ過ぎる背骨は、クッション機能がなくなっている状態なので、特に腰への負担が大きくなります。
猫背の話に戻ります。
主な問題点は次の通りです。
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1、肩こりや腰痛などの原因になる
まずは肩こり。
背中が丸まると、構造上、頭の位置が前に移動します。
頭はボーリング玉と同じくらいの重さがあります。
重たい頭を支えるのは首の筋肉ですが、頭がちゃんとした位置におさまっていれば首の筋肉も最小限の筋力で頭を支えることができます。
しかし、頭が前に出てしまうと、かなりの筋力を使わないと頭を支えられません。
その結果首や肩の筋肉が疲れてしまい、首や肩が凝るのです。
背中が丸まると、肩甲骨の位置も外側に移動します。
肩が前に出てしまい、肩甲骨と背骨を結ぶ筋肉が常に引っ張られているような状態で疲れてしまい、肩甲骨も凝ってきます。
先ほど、背中が後弯、腰が前弯と書きましたが、背中が丸まると腰も丸まってしまいます。
その結果腰に負担がかかり、腰痛の原因となります。
2、内臓機能の低下
猫背になると、お腹を圧迫してしまいます。
その結果、胃腸の調子が悪くなったり、便秘などにつながる場合もあります。
また、肝臓の機能も落ちてしまうため、例えば猫背の姿勢で飲酒すると酔っぱらいやすい、二日酔いしやすいなどの不調が出ます。
3、呼吸が浅くなる
人間は深呼吸するとき、少し背中を伸ばすようにしないとできません。
猫背では胸郭が広がりきらないため、呼吸が浅くなります。
呼吸が浅くなることで起こる症状は様々です。
疲れやすい、肩こりや腰痛などが治りにくい、代謝が落ちる、手足のしびれ、内臓の不調・・・
何一ついいことはないですね。
4、神経機能の低下
上の図は椎間板ヘルニアの模式図ですが、ここではヘルニアの話ではありません。
人間の背骨の中には、脊髄という中枢神経が上から下に走っています。
この脊髄の周りには脳脊髄液という液体があり、脳脊髄液は血液のように循環しています。
猫背になると脊髄の通り道が狭くなり、脳脊髄液の循環が悪くなってしまいます。
脳脊髄液は神経に栄養を与えているので、神経機能が落ちてしまいます。
これによる影響は様々で、肩こりや腰痛などの症状につながることもあれば、疲れやすい、なんとなくイライラするなどの不定愁訴にふながることもあれば、内臓機能の低下などにもつながります。
5、精神的な問題
元気がないとき、落ち込んでいるときを想像してもらえばいいですが、こういう精神状態の時って背筋がピーンと伸びてはいないですよね。
むしろ、丸まってしまいます。
精神的に落ちているときは姿勢が悪化しますが、姿勢が悪いことで精神面にも影響を与えることがあります。
よく、カイロプラクティック、整体の施術でうつ状態が改善したと患者さんから聞きますが、これは姿勢を改善することで少なからず精神面の向上にもなるのです。
猫背は様々な影響を与えます。
気になる方は是非当院にご相談ください。
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