症例報告

野球選手。投球時に腰の痛みが気になり、投げることに恐怖がある(16歳男性)

高校生投手。1ヶ月前くらいから投球時に腰が痛むようになった。特に思い当たるきっかけはない。キャッチボールでは痛みは出ないが、マウンド・ブルペンでそれなりに力を入れて投げていると、痛みを感じる。整形外科では異常なしと言われ、放っておいても改善せず、大会にも影響があるのでインターネットで検索して来院。

<初診時状態>
・腰の付け根(第5腰椎と仙骨間)に痛み
・腰を反らす動作をすると、痛みを感じる
・投げていて痛みを感じてくるときは、リリースの瞬間あたりで痛みを感じる
・おなか側の筋肉に強い緊張
・背骨を触診していくと、第5腰椎が少し前に滑ったような感じがある

<経過>
おなか側にある大腰筋の緊張により第5腰椎と仙骨の間の関節に無理がかかっていると考え治療を行った。
初回はおなか側の筋肉(大腰筋)を緩め、第5腰椎と仙骨間を広げるような矯正。足の張りを取る施術を行った。治療後は腰を反らしたときの痛みがなくなる。
2回目(4日後)。以前より球数を投げれるようになったが、やはり痛みが出る。状態はやはり大腰筋の緊張が強く出ており、さらに第5腰椎と仙骨間の関節が圧縮されたようになっていたため、矯正。

3回目(6日後)。60球以上くると痛みが出る。再度チェックしていったところ、第5腰椎と関係する第一頸椎の異常があったので、矯正。これでまた様子を見てもらう。

4回目(1週間後)。100球近く投げても痛みが出なかった。継続治療。

5回目(2週間後)。特に痛みなし。
状態もよさそうだったので、治療を終了し様子を見てもらうことに。

担当 小幡コメント

状態は大腰筋が緊張していて、筋肉の張りで腰の関節が圧迫されるようになっている状態でした。ピッチャーだと野手に比べ大きく踏み込む分、大腰筋にかかる負担が大きくなります。キャッチボールでは全く問題なくても、大きく踏み出す投球動作で痛みが出ていたのは大腰筋の緊張によるものと考えられました。
背骨の触診をしていくと、すべり症のような感じもしたのですが、整形外科では特に問題にされなかったということで、すべり症までは至っていないけど、大腰筋の張りで腰椎が前に引っ張られていると考えました。(注:すべり症の場合、分離症も伴っているので、レントゲン上で骨折線が見えます)
大腰筋の緩和と腰の矯正だけでも多少の改善はあったのですが、頸椎の矯正を入れたところ劇的に改善しました。運動学的は第5腰椎と第一頸椎は関係があるのですが、運動連鎖の異常もあったと考えられます。

腰が痛いのをかばって投げていると、腕が横振りになって肩や肘の痛みを起こしたりしてしまうこともあります。おかしいなと思ったら早めに治療を受けましょう。

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